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日本に対する中国オタク産業の新たな著作権侵害問題(日语)
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作者:
Ericalord
时间:
2010-05-01 15:59
标题:
日本に対する中国オタク産業の新たな著作権侵害問題(日语)
前言:新东西不多,将就看吧,反正不是毕论。
给不明真相的群众:………………好吧你们看到的是我的report
1.はじめに
本文は、近年以来急速に発展している中国のオタク産業での著作権侵害問題について論述する。中国のオタク産業は民間の組織者と経営者により規模が拡大してきたが、これからの発展には懸念がある。最も非難されている海賊版問題以外にも、近年新しく著作権侵害問題が現れた。本文は、現状を分析し、これらの新しい問題点を解明したい。また、このような状況で中国として改善すべき点はどこか、権利が侵害された日本側は、何ができるのか。そのような対策を提案しようと思う。
論述に先立って、中国のオタク産業はどういうものか、はっきりしなければならない。野村総合研究所の『オタク市場の研究』1 から見れば、日本のオタクの種類はいろいろある。しかし中国の一般的な認識では、オタクは日本風のアニメ、コミック、ゲーム(通称ACG)の愛好者である2 。中国では鉄道、撮影などはオタクとして考えられない。原因はこれらのものが昔から存在し、中国で発展してきたものあるいは世界的なものだと思われ、日本特有文化の輸入としてのコミック、アニメなどと一緒だとは考えられないからである。中国のオタク産業は、日本風のコミック、アニメ、ゲームに関連する商業のことである。したがって、これ以外の分野の著作権問題は本稿では考察の対象としない。
また、中国では、オタクは「宅」と呼ばれる。オタク産業は中国にそもそも存在しないので、対応する正式な訳語はないが、一部の人は「宅産業」と呼んでいる。
中国のオタク産業の新たな著作権侵害問題は、主に次の四つに分けられる
(1)中国の作品における剽窃
(2)メディアや出版社などの乱用
(3)インターネット上の不正掲載と流通
(4)民間によるACG作品の中国語化
以下にそれぞれについて論じていきたい。
2.中国の作品における剽窃
中国の作品における剽窃とは、中国側が制作したアニメ本編や漫画やゲームなどが日本作品の剽窃だと指摘されることである。一番直接的な著作権侵害と言えるこの剽窃現象は、主にアニメ業界に集中している。コミック界も類似の現象はあるが、影響は小さく、それほど普遍的な現象にならず、しかも今の状況は改善している。またゲームは技術的な難点もあり、剽窃は見あたらない。
剽窃事件は中国アニメ業界でかなり多く、ほぼ毎年数例の頻度で発生する。例としては、完全に剽窃といえる『大嘴巴嘟嘟』と、舞台設定が日本アニメと非常に似ている『宠物小精灵传奇』『小樱桃』『龙战四驱』などが挙げられる。
一番有名なのは、中国アニメ『大嘴巴嘟嘟』(意味は大きな口のドゥドゥ。『大口ドゥドゥ』という訳名が使われている)が日本アニメ『クレヨンしんちゃん』を剽窃した事件である。ウェブサイトの中国ニュース通信社は、次のように述べている。
2009年7月7日、中国のネット掲示板で、日本の人気アニメ「クレヨンしんちゃん」と中国国産アニメ「大口のドゥドゥ」を比較検証している書き込みが掲載された。設定やいくつかの場面が酷似していることからパクリ疑惑を指摘している。
2007年に放映された「大口のドゥドゥ」は中国人の少年が成長する姿を描いた国産“オリジナル”アニメ。ところがネット掲示板では10枚以上の写真が掲載され、「大口のドゥドゥ」と「クレヨンしんちゃん」の比較を行っている。タイヤを転がして遊ぶシーンや本を読んでいるシーンなど構図はほとんど一緒で、パクリ疑惑も仕方のないところだろうか。また声優のしゃべり方も似ていると指摘されているほか、劇中に使われている音楽は日本アニメ「ジャングルはいつもハレのちグゥ」のものであることも判明したという。3
この事件は、中国で各新聞社やウェブサイトも報道した。事件の最初は中国最大のネット掲示板「天涯」で、「不要让我们的下一代活在这样的卡通里」(意味は子供たちにこんなアニメとともに成長させるな)という書き込みが出てきて、すぐにネット上で話題を呼んだ4 。盗作の批判に対し、『大口ドゥドゥ』の制作会社は、「ドゥドゥの声優の多くはクレヨンしんちゃんにも出演していたため、確かに声はよく似ている」と認めたものの、それ以外は中国的な要素が多く盛り込まれたオリジナルだと主張している。しかし、ドゥドゥが通う幼稚園にはニワトリ小屋があることや背景画に2階建ての一軒家が多く描かれているなど、舞台設定が明らかに中国的ではなく日本的なものだと思われることがネット上で指摘されている。
『クレヨンしんちゃん』は子供向けのアニメではないため、青少年に不健全な影響を与えると批判されて久しい5 。しかし『大口ドゥドゥ』は、CCTV(中国中央電視台)の子供向けチャンネルで放映されていた。結局、一方では原作を批判し、もう一方は国家テレビチャンネルで放送する皮肉な事態になったという。
遠藤誉は、その著書『中国動漫新人類』の中で、このような剽窃の原因を次のように述べている。
(アニメ制作基地が政府から)年間3000分間という高い生産達成目標を課し、それに到達しなければ許可証を取り上げ、(アニメ製作)基地から追い出すぞ、と言われれば、誰もがこのノルマを果たそうと必死になるだろう。けれどもアニメ制作は創造的行為でもある。単純に生産量を増やせるような類の工業製品とはわけが違う。
となれば、製作者側としては簡単に手に入る題材を求めようとする。しかもなるべく人気の高いものを。でなければスポンサーがつかず、広告費が稼げない。6
ほかにも考えられる原因がある。それは、法律の不完全で、剽窃が気風になったことである。剽窃者が出ても、何の懲罰も受けないから、何人もの剽窃者が利益追求のために現われてしまった。結局中国のアニメ制作業界で、剽窃はごく一般的なことになった。新しい作品を作ろうといっても、何を作っていいのか分からないので、結局日本アニメの模倣ばかりか、剽窃をしてしまう。この法律の不整備による原因と高い生産達成目標の原因が合わさって、現状になっているわけである。
3.メディアや出版社などの乱用
メディアや出版社などの乱用とは、無許可のままで著作権物を使ってしまったことである。出版社、テレビ局などにおいても、著作権の意識が低い。これを示す例を挙げよう。例えば有名な「涼宮ハルビン」事件である。この事件は、中国側だけでなく、日本のウェブサイトのLivedoorも報道した。Livedoorは、2008年1月29日のニュースで、以下のように述べている。
中国語アマゾンのサイトで販売されている北京五輪紹介とみられるパンフレットの表紙画が、日本の人気漫画の少女キャラクター「涼宮ハルヒ」に似ているとネットで話題になっている。2008年8月の五輪開催を控え、関係者からは早くも著作権侵害の便乗商法を心配する声が出ている。
…………
北京五輪のパンフレットが販売されているアマゾンの中国語サイトでは、表紙に描かれた漫画を見ることができる。テニスラケットを手にした少年少女のイラストで、少女が涼宮ハルヒに似ているというのだ。パンフには、表紙に北京五輪のロゴマークが入っており、2007年7月に発行されたとある。中国人選手や競技場とみられる写真が掲載されたページも紹介してある。7
一日後、毒餃子事件が発生した。この事件は日本掲示板「2ch」で「涼宮 哈爾濱(ハルビン)の餃子 生還者2人目」と呼ばれた8 。日本の漫画「さよなら絶望先生」の第126話もその事件について「涼宮ハヒレノ」と風刺した9 。それらのことによって事件の影響が拡大された。それ以来、その「超越梦想一起飞」(意味は夢を超えて一緒に飛ぼう)というパンフレットの表紙画にあるキャラクターが涼宮ハルビンまたは涼宮ハヒレノと呼ばれるようになった。
また、その事件に対し、Livedoorは同じニュースで、次のように述べている。
日本オリンピック委員会(JOC)にJ-CASTニュースが取材すると、「このパンフレットは、見たことがありませんね。北京五輪のロゴがあったとしても公式か分からないので、コメントしようがないです」(強化部)とのことだった。角川書店でも、「公式パンフレットかどうか調べている最中ですが、国営の出版社とはとても思えません」としている。
日本側は海賊版と認定したそうだが、そういう可能性はほとんどない。まず、海賊版なら、販売サイト(個人も出店できるサイトではなく、アマゾンのようなサイト)で大規模販売することは不可能である。Googleの検索結果によれば、Amazon以外にもネットで数十か所の通信販売が売っている。また、中国のAmazonで「Amazonがあなたに売る商品は全部合法出版単位から出版されたものであることを承諾する」と書いてある10 。さらに、その本は中学生向けの本で、パンフレットではない。小学生向けの同シリーズの本は2007年1月で出版された11 。海賊版だったら考えられない行為である。それらの理由によって、その本は「浙江文芸出版社」の出版物だとほぼ確信できる。その出版社は、1983年に成立した正式な出版社である。このような事件で説明できるのは、たとえ正式な出版社でも、表紙画の著作権を意識していないということである。海賊版ならなおさらである12 。
著作権意識が弱いのは出版社だけではなく、国家テレビ局である中国中央電視台(略称CCTV)もそうらしい。ネット上の指摘によると、CCTV の番組で少なくともアニメ「Gundam Seed Destiny」「Air」「エヴァンゲリオン」「犬夜叉」の音楽を直接使用することがある13 。地方テレビや広告やドラマなどの使用はもっと多いことが想像できるだろう14 。国際規約によれば、アニメの音楽を使用するには、日本音楽著作権協会と契約する必要があるが、CCTVは中国音楽著作権協会に使用料を払うことさえない15 。出版社もメディアも著作権意識に関して完全に重視していない状況である。
4.インターネット上の不正掲載と流通
近年以来、インターネットの普及化と高速化により、ACG産業はかなりの影響を受けた。各種のファイルの流通が簡単になり、オタク文化の普及を促進するとともに、著作権物の無断掲載と流通が深刻化している。漫画、アニメ、音楽、ゲームなどはp2p16 ソフトを通じて流通し、各総合性大型ウェブサイトさえも漫画などを掲載している17 。ただの不正掲載はともかく、そのほか、インターネット通販で、大量のACG関連商品が販売されている。
不正掲載の内容は、p2pソフトで日本から簡単に手に入れる。入手したものは中国語化されたり、直接掲載されたりする。ほとんどの既存する漫画とアニメは「漢化組」18 の手によって中国語化された。それらの中国語化されたものが、漫画は漫画サイト、アニメの本編映像は動画共有サイトにたくさんアップロードされている。また、ネットでBT(p2p技術を利用した一種類のダウンロードの方式)を通じて配信される。これで漫画、アニメを見ることや手に入れることが容易にできるわけである。このような普及方式によって、日本のオタク文化が中国でも大人気になった。
中国動画共有サイトの違法放送に対し、NHKが対策を考えている。ウェブサイト「Itmedia News」のニュースがこう書いている。
NHKは9月17日、中国の複数の動画共有サイトに対し「NHKの番組が無断で投稿された際、削除要請に直ちに応じる」という内容の覚書を交わすよう求めていることを明らかにした。これまで個別に削除要請を行っていたが、中国の一部のサイトでは削除に応じてもらえないケースがあったという。
覚書は「NHKに無断でアップロードされた番組動画を動画共有サイトで発見した場合、NHKがサイト側にメールで通知する。連絡を受けたサイトは、直ちに削除する」という内容。19
以前、著作権側はYoutubeやニコニコ動画(日本の有名な動画共有サイト)に対して上のような方式を通じて、無断掲載を確実に減少させた。同じサイトは「YouTubeやニコニコ動画は当初、テレビ番組やアニメなど、メディア企業の著作権を侵害したコンテンツに人気が集まっていた。だが今はそういったコンテンツを積極的に削除し、メディア企業との歩み寄りの道を探ってきた」と述べた20 。しかしYoutubeやニコニコ動画の著作権物の削除行為と違って、中国最大級の動画共有サイト「Tudou」(中国語表記は「土豆」)と「Youku」(中国語表記は「优酷」)は別の対策を取っていた。
中国の動画共有サイト「Tudou(土豆)」と「Youku(優酷)」が日本からのアクセスを遮断している。トップページや動画ページは表示できるが、動画再生画面には「あなたの地域では動画を見られない」という内容の英語メッセージが表示され、再生できなくなっている。
YoukuやTodouには、日本のアニメなどが数多くアップロードされており、日本からのアクセスも増えていた。
中国の報道などによると、Todouは今年に入って日本のIPアドレスからのアクセスを遮断、Youkuも数カ月前から同様の措置を取っているという。
両サイトには日本のテレビ局から、著作権を侵害した動画の削除要請が寄せられているという。今回の措置は、著作権侵害に関するクレームを回避する狙いや、サーバ・ネットワークコストを削減する狙いがあるとみられている。21
筆者はその二つのサイトで検索してみたが、アニメ本編などの著作権物がまだ多数存在している。状況は全く改善していないと言える。
また、2009年4月に、政府が「ネット視聴番組内容管理を強化する通知」を発表した22 。この中の第五条には「著作権保護制度を確立し、放送する番組は相応の著作権が必要」と書いてあったが、結局改善されたのはアダルト内容の減少で、著作権問題の改善は重視されていないようだ。2009年12月、政府が「視聴許可証がないサイトを閉める」を理由にして、BTCHINAなどのP2P内容掲載サイトの運営停止を命じた。この中には、多数のACG系のサイトも含めている。しかしYoukuやTudouなど動画共有サイトは視聴許可証があるため、まったく影響されていない。
もう一つの利益侵害はネットショップである。近年来大きな発展を遂げたネットショップは、出店する費用が低く、海賊版のグッズを販売するには最適といえる。中国最大級のネットショップ「淘宝網」で「火影」(日本人気アニメ「ナルト」の中国語訳の略称)をキーワードとして検索すると、十万件以上の結果が出た。この内、少数の日本や台湾購買代行や著作権のある商品や無関連商品などを除いた、ほとんどの商品は海賊版だと思われる23 。
『中国動漫新人類』のなかで、「アニメ市場では、儲けのほとんどはアニメそのものではなく、アニメの副産物であるキャラクターグッズが生み出すのです。そこからキャラクターグッズが誕生しない限り、大きな儲けはないのです」という話があった。これは中国アニメ制作関係者やテレビ関係者からの話だそうだ。この話が出てきた小節のタイトルは「中国における動漫キャラクターグッズの巨大マーケット」である。しかし、その中国の膨大なキャラクターグッズ市場は、今は海賊版に占領されている。
同書では、“「タダ当然」のソフトが文化普及のカギ”という仮説を立てている。その小節の中、以下の言葉が書いてある。
80年代90年代から著作権管理に厳しく、中国大陸での海賊版があまり出回らなっかたというアメリカの動漫は、日本動漫ほどには普及していない。コンテンツそのものの好みも関係しているのかもしれないが、ともあれ、海賊版が日本ほどには多く出回っていないため、一般大衆の手に届かない。届かなければ、知名度も上がらないし、ファンも増えない、というわけである。24
実情は日本のアニメDVDがあっても、中国消費者にとっては高すぎて買えない。レンタルショップに対しても同じだ。しかも近年来新たな日本輸入アニメはテレビではほとんど放送されていない。つまり、中国側が無著作権作品をすべて削除、海賊版グッズをすべて販売禁止の命令を出したら、中国のファンたちは日本のアニメを見たくても見られない、キャラクターグッズを買いたくても海賊版しかない状況になる。結局苦しんでいるのは中国のファンだけだ。
5. 民間によるACG作品の中国語化
民間によるACG作品の中国語化は、著作権侵害とはいえ、日本オタク文化の普及に無視できない功労がある。異文化としてのオタク文化がもし日本語のまま中国であらわれたら、普及どころか、注目さえも集まらないだろう。中国語化したからこそ、大衆が受け入れ、今日の中国動漫文化になったのだ。
中国語化の仕事は“漢化組”に頼る。“漢化組”とは“作品を中国語化させるグループ”の意味である。今の漢化組は三種類に分けられる。一種類は漫画の中の日本語を中国語に引き換える漢化組、「XX漫画組」とも呼ばれる。一種類はアニメに中国語字幕をつける漢化組、「XX字幕組」とも呼ばれる。最後は前の二種類と少し違う性質を持っているゲームの中の日本語を中国語に引き換える漢化組だ。いずれの漢化組もp2pソフトに依存する。ソフトを通じて作品をダウンロードするのがとりあえず最初のステップだ。ゲームに対し、更新が早い漫画連載やアニメの漢化組はソフトの依存度が高い。たとえば、2008年5月の職人逮捕事件。
京都府警ハイテク犯罪対策室などは9日、P2Pファイル共有ソフト「Share」を利用してテレビアニメの動画ファイルを著作権者に無断で送信していたとして、Shareの利用者3人を著作権法違反の疑いで逮捕したと発表した。
逮捕されたのは、神奈川県川崎市の会社員(34歳)、東京都日野市の会社員(41歳)、広島県東広島市の大学生(21歳)の3人。3人はそれぞれShareを利用して、「コードギアス反逆のルルーシュR2」「機動戦士ガンダム00」などのテレビアニメの動画ファイルを、不特定多数の利用者に送信しうる状態にしていたとして、著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで逮捕された。25
ネットのニュースはこう述べた。この事件は日本だけでなく、中国にも大きな衝撃を与えた。本来、日本での放送の翌日、字幕がついたアニメはネットにアップロードされ、またはファイルが流されるが26 、事件発生以来の数週間、配信時間が厳重に延ばされ、画面の解析度もだいぶ低くなった。この事件に対して、ネット上にそういうコメントがあった。「悪いこととはわかってるけど、しかし11区よ、ここであなたのアニメは禁止されて、禁止されて、うちらの種花連邦はネットでしか見られないですよ。たとえDVDが買えるようになったとしても、しかしただ2,3話で何千円のものは買えないのですよ」27 。これは今の中国のファンたちの苦情だ。p2pソフトがなくなったら、中国オタク文化はおそらく即死だ。
サイト「動漫花園」の聯盟リストからみれば、字幕組の数量は百を超える。ゲームや漫画の漢化組の名称は固定ではないので、統計もできない。ゲーム漢化リストの統計によると、中国語化された美少女ゲームは150本以上。この中で、民間漢化組による中国語化されたゲームは半分以上28。漫画やアニメのほとんどが中国語化されたあるいは字幕がかけられた。もちろん、このような行動はすべて自発的で、報酬がない仕事だ。しかし何と言っても、これは著作権侵害である。もし中国の会社が代理権を得て、直接漢化組の成果を使ったらどうするか。これは今中国の法律ではまだ盲点である。漢化組の権利は法律に守られない状況にある。著作権侵害問題の中でも、漢化問題はかなり特殊な問題として位置づけられている。
6.改善への提言
日本側として、中国側の状況改善以外に、何か積極的な手がないのか。方法を見つけ出すために、まずこれまで述べた問題が発生した原因を分析してみよう。
(1) 法律実体がない
これは言うまでもないことである。例えば四つ目の部分が提示したYoukuとTudouなどの動画共有サイトに対して、なぜ起訴しないかというと、著作権側は中国での法律実体が存在しないため、法律上著作権問題の扱いがかなり難しい。
(2) 消費者側の需要を満足できない
外国アニメ放映禁止令があるため、2005年~2009年までに新規にテレビ放送が許可された輸入日本アニメは、『テニスの王子様』(2006年)の1本のみ。前に述べたように、日本のアニメを見たくても見られない、キャラクターグッズを買いたくても海賊版しかないという状況である。
(3) 著作権意識の希薄、道徳の低下
一般消費者として、著作権のことはあまり意識していない。また、作品剽窃や無断掲載などは道徳低下に当てはまる。
(4)中国法律実行状況の改善と各種制度改善への努力が必要
例えば著作権物の削除を促進することである。また、アニメ政策に対する政策の見直しが必要だと考えられる。
日本側として、前の三つの改善へ手を加えることができるだろう。つまり、どうすれば法律実体が作れられ、消費者の需要に満足でき、しかも著作権意識を改善できるだろうか。一つ考えられる手は、日本大手ACG関連会社の中国への進出である。考えるメリットは以下のように:
(1) 法律実体が存在するようになる。色々な著作権問題について著作権側の代理として、法律で問題を扱うのが容易になる。
(2) 需要への生産力が高まれ、しかも日本の作品を中国で発売することによって、消費者をさらに満足されることができるようになる。
(3) 宣伝活動によって、著作権意識を喚起できる。うまくいく場合はブランド効果が生じる。
(4) 漢化組との協力により、漢化組の成果が法律で守られるようになる。しかも漢化組は人力資源として活用できるようになる。
ここで更なる効果を考えよう。海賊版の競争で、低コストを取れない大手会社は、間違いなく差別化戦略をとるはずだ。つまり、製品の差別化とサービスに力を入れる。大手会社の経営戦略の模倣と流通チャネルの整備効果などにより、新参入の中国企業の生存も容易になる。これで市場が初めて形成し、海賊版シェアが減少させ、ブランドが形成され、著作権改善への効果がさらに期待できる。
生存への道に関して、ひとつの分野に限らず、経営上の関連多角化戦略をとる必要があるだろう。特にキャラクターグッズとACG関連のノベル市場への進出によって、利潤が生じると考えられる。キャラクターグッズは中国現地生産によって生産費用を抑え(そもそも多くのグッズ生産現場は中国にある)、より低価格の販売が可能になる。ノベルについて、すでに台湾で販売されている作品(台湾角川書店の出版物など)は中国語の簡体字化
が容易である。それで生産費用を同様に抑える。
問題点として、以下のいくつかの指摘できる事柄がある。
(1)国家による政策の混乱。一般的には、アニメ放送審査は「国家広電総局」という機構で、コミックとゲームの出版審査は「新聞出版総署」という機構でやるが、この二つの機構と異なる部門である「文化部」(日本の文部科学省と相当の機構)も審査の権利を持っているという。審査結果が衝突する可能性があり得る。実際に、ネットゲーム「World of Warcraft」の審査で、文化部と新聞出版総署の審査結果が異なって、双方は互いに指摘していて、いまだに最終結果がはっきりしない。
(2)国家政策の保守性と国情の複雑性。特にゲームの政治や暴力内容に審査が厳しく、ほとんどのゲームが中国に輸入されないひとつの要因だと考えられる。審査にかかる時間が非常に長いと民間に非難されることも多い。また、コミックの内容について直させることも少なくない。なお、メディアはオタク産業に対して賛否両論を立てていて、非難する人は決して少なくない。最後、政府が大きい権限を持っているという点を認識しなければならない。
(3)価格の設定と海賊版の対応。商品を販売する値段は、消費者が納得する上、民間による日本への輸出を避けねばならない。本とゲームにおいて、使用言語が違うからそういう事情が生じる可能性がほとんどないが、アニメのDVDやキャラクターグッズなどの商品が問題点になる。また、海賊版とネットの不正流通にどうすれば勝てるのかも難点である。進出企業は、商品を扱う範囲と経営策を慎重に考えねばならない。
これらの問題点をはっきり認識する必要がある。そうでなければ、経営が成り立たない恐れがあると考えられる。多くの問題点の解決は、国家の政策の見直しに頼るしかない。
7. 最後の一語
近年以来、中国の著作権事情はよく指摘されていて、改善なども要求されている。中国のオタク産業内も、著作権侵害事件がしばしば起こる。問題の解決には、中国側だけでなく、日本側の協力や積極的な行動も必要である。日本企業の参入は望ましいことだが、障碍はまだ多い。しかし中国市場の発展に連れて、著作権問題は必ず解決するようになるだろう。
脚注:
1. 野村総合研究所オタク市場予測チーム『オタク市場の研究』、経済東洋新報社、2005年10月。第五章「オタク市場の概要」。
2. SOSO問問「オタクはどんな定義をとればいいのか」
http://wenwen.soso.com/z/q133438394.htm
(中国語)
3. 中国ニュース通信社「『クレヨンしんちゃん』のパクリでは?07年放映の“純国産”アニメに疑惑続々―中国」
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=33188
(日本語)
4. 天涯「子供たちにこんなアニメとともに成長させるな」
http://www.tianya.cn/publicforum/content/3d/1/40812.shtml
(中国語)
二つアニメの対照画面が見られる。
5. 新華網「『クレヨンしんちゃん』は子供向けではない、アニメとマンガに年齢制限を加えるべき」
http://news.xinhuanet.com/newmedia/2006-11/09/content_5307170.htm
(中国語)
6. 遠藤誉『中国動漫新人類』、日経BP社、2008年2月。186ページ。
7. Livedoor「北京五輪パンフにハルヒ似漫画 便乗商法に早くも不安の声」
http://news.livedoor.com/article/detail/3486661/
(日本語)
8. 2ch「涼宮 哈爾濱(ハルビン)の餃子 生還者2人目」
http://love6.2ch.net/test/read.cgi/kao/1177948319/188
(日本語)
9.
(日本語)
漫画「さよなら絶望先生」の第126話で「涼宮ハヒレノ」が掲載されたページ。
また、アニメ「俗·さよなら!絶望先生」第八話8分1秒のところも涼宮ハルビンのポーズが現れた。
(中国語字幕がついたアニメの画面)
10.
http://www.amazon.cn/mn/detailApp?prodid=bkbk722372#
(中国語)
Amazonでその本を売っているウェブページ。今でもそこで表紙画が見られる。その承諾も書いてある。
11.
http://www.langlang.cc/1830656.htm
(中国語)
同じシリーズの小学生向けの本。2007年1月出版だと書いてある。
12.
http://bbs.saraba1st.com/viewthread.php?tid=475198&highlight=%E8%AB%8B%E5%95%8F%E9%80%99%E4%BA%9B%E6%98%AF%E5%90%A618x%E9%81%8A%E6%88%B2%E4%BD%9C%E6%96%87%E7%B7%B4%E7%BF%92
(中国語)
ここで表紙画が日本ゲームのキャラクター(例えば「夜明け前より瑠璃色な」のフィーナ)の本が見られる。ネットで検索したら通販がないので、海賊版だと予想される。
13. 百度「CCTVのACGのバックグランドミュージック使用状況収集」
http://hi.baidu.com/100332000/blog/item/71773cf5d1b08c22bc3109d7.html
(中国語)
14. 例えば香港のドラマ「天竜八部」はアニメ「もののけ姫」の音楽を使った。
15. 金涛「ラジオ、テレビの音楽使用はいつ無償から有償になれるだろう」
http://www.cflac.org.cn/weiquan/2009-04/21/content_16309902.htm
(中国語)
ここは“中国テレビ局は過去数十年来無償で音楽を使っている”と“国際規約によると外国著作権音楽製品を使うには使用料を払うべき”を説明した。
16. Peer to Peer(ピアトゥピア、ピアツーピア)とは、多数の端末間で通信を行う際のアーキテクチャのひとつで、対等の者(ピア)同士が通信をすることを特徴とする通信方式、通信モデル、あるいは、通信技術の一分野を指す。P2Pと略すことが多い。
日本ではShareやPerfect DarkやUtataneなどの例が挙げられる。
17. 例えば中国最大のIMソフト「腾讯QQ」のサイトで、多数の連載中の漫画(Naruto、Bleachなど)が見られる。
http://comic.qq.com/
(中国語)
IMとはインスタントメッセンジャーの別称。コンピュータネットワーク(主にインターネット)を通じてリアルタイムコミュニケーション。
18. “漢化組”とは“作品を中国語化させるグループ” の意味である。詳細は第五小節に参照してください。
19. IT Media News「NHK、中国の動画共有サイトに番組削除の覚書を要請」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/17/news074.html
(日本語)
20. IT Media News「Youkuは“第2のYouTube”か」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0803/31/news065.html
(日本語)
21. IT Media News「中国動画サイト「Tudou」「Youku」が日本からのアクセス遮断」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/07/news071.html
(日本語)
22. 国家广播电影电视总局「ネット視聴番組内容管理を強化する通知」
http://www.sarft.gov.cn/articles/2009/03/30/20090330171107690049.html
(中国語)
23. 検索ページは
http://search1.taobao.com/browse/0/n-g
,xpynhma----------------40--commend-0-all-0.htm?ssid=e-s5&at_topsearch=1(中国語)
また、価額区間を分けて検索し、それらの商品の販売価額の総額を粗略計算したら、少なくとも2000万円を超えている(50元以上の商品を全部50元として計算すること)。販売数を考えれば、総売り上げはかなり膨大な金額だ。
24. 遠藤誉『中国動漫新人類』、日経BP社、2008年2月。100ページ。
25. Internet Watch「京都府警、「Share」利用者3人を著作権法違反の疑いで逮捕」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/05/09/19490.html
(日本語)
26. もっと詳しい事情は遠藤誉先生の著作『中国動漫新人類』の第二章第九節「日本アニメの字幕を作る中国エリート大学生たち」を参照してください。
27. 阳光网站论坛「Share RAW事件、どうやって救えるんだ、四月新番アニメ」
http://bbs.zstu.edu.cn/read.php?tid=4299
(中国語)
11区は中国ネット上で日本に対する別称。アニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」の日本は亡国し、「エリア11」と呼ばれたからである。「種花連邦」は「中華連邦」をもじった発音。中華連邦はネット上で中国に対する別称。
28. 緋月「美少女ゲーム漢化リスト」
http://bbs.2dgal.com/read.php?tid=46811
(中国語)
参考文献:
遠藤誉、『中国動漫新人類』、日経BP社、2008年2月。
日本貿易振興機構、中国コンテンツ市場調査、2009年10月
http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07000133/china_contents.pdf
作者:
laidness
时间:
2010-05-02 22:30
百度 腾讯都被点名了啊
作者:
chen76308
时间:
2010-05-04 17:44
日本还不是有SHARE。。。。。。。
其实能不付钱谁都不愿意付的嘛~~~
作者:
hyperlh
时间:
2010-05-04 18:39
就算在天朝禁了盗版,泥轰ACG也没法在天朝赚多少钱,天朝的ACG控是由海量的免费共享物支撑的,一旦没了就会鸟兽散
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